中学2年生 の 2020年度 THE BEST DAY として、2/17に行われた オンライン平和学習を紹介します。
実はこの日は、修学旅行で広島に到着する予定だった日。
しかし、新型コロナウイルスの影響で修学旅行は中止となってしまいました。
昨年の夏から修学旅行に向け事前学習を始めていた生徒たち。
平和に関する調べ学習をしてポスターを作ったり、放射線について調べてプレゼンをしたり、オバマ大統領が広島を訪れたときのスピーチを聞いたり…。
平和記念資料館に納める千羽鶴も、祈りを込めて折っていました。
生徒の頑張りを無駄にしたくない!と教員がサプライズで企画したのが今回のオンライン平和学習です。
NPO法人であるPCV(Peace Culture Village)さんの協力で実現しました。
何も聞かされずに視聴覚室に集められた生徒たち。
特に説明のないまま映像が流れ始めます。映し出されたのは皆で折った千羽鶴。
緊急事態宣言が発令され、再びオンライン授業に切り替わってしまったため、教員が糸でつなげて完成させたのでした。
「今から広島に届けに行きましょう。」
「そうですね、歩いていきましょう。」
そう言いながら鶴をカメラに近づけます。
ズームアウトすると、先ほどまで校内にあったはずの鶴を持った謎の男女二人組が改装工事中の原爆ドームの前に!
実はこのお二人こそ、PCVのスタッフの方。
現地に行けない我々の代わりに鶴の奉納を請け負ってくださったので、鶴を事前に郵送していたのです。
東京と広島が鶴を介してつながった瞬間でした。
その後、zoomで双方をつなぎ、いよいよ「平和学習」がスタートです。
学習は視点を変えるところから始まりました。
争いとは「正義」と「悪」との対立のように考えてしまうことが多いですが、自分が悪いと思いながら戦争をしている人はいないのだ、と。
「とある正義」と「異なる立場における正義」との対立が戦争に発展する。立場が異なれば考え方が異なる。
自分と違う考え方を許容することが平和への第一歩なのだと気づかされました。
もうひとつ大きなテーマとして掲げられていたのは「平和を自分事として考える」ということ。
「戦争」という単語から連想される事柄は、なんだか大昔のことのような、自分とは関係ないような気がしてしまいます。
当時を記録した写真は白黒のものばかり。映像も焼け野原を記録したものばかりが残っています。
しかし、今回PCVの方々が用意してくださったのは当時の写真に色をつけたカラー写真や、原爆投下前の日常の風景の映像。
今と変わらない光景に生徒たちも一気に「自分事」としてとらえることができるようになったようです。
自分以外の同級生を全員原爆で亡くした被爆者の方のお話を聞いたり、
自分たちの作った折り鶴が奉納される瞬間をリアルタイムで見たり。
とても充実したプログラムになりました。
「実際に広島に行きたくなった。以前とは違うことを感じられると思うので。」
「今の日常がいつ戦争によって奪われてもおかしくないのだと気づいた。」
生徒の感想の一部抜粋です。
今回の平和学習で、生徒たちも多くのことを学んでくれたようです。
以上、中2 THE BEST DAY をお伝えしました!